2013年8月号
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ビジョナリーの本質

Evernote創業者フィル・リービン 100年間世界を変え続ける企業

フィル・リービン(Evernote Corporation CEO)

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フィル・リービンは1972年、旧ソ連に生まれた起業家だ。少年時代に米国に移住したあと、プログラミングに目覚めた。その後、2社のネット企業の創業とバイアウトに成功し、現在はエバーノート社のCEOを務めている。同社は、テキストや画像、動画や音声等、すべてのデジタルデータを記録するためのオンラインノートブックサービス『Evernote』を提供し、世界中で数千万人のユーザーを獲得している。

シリアルアントレプレナーとして

フィル・リービンはよく、メディアに対して自社を「100年続く会社にする」と繰り返している。つまり会社を売るつもりはない、と明言しているわけだ。

パリで行われたLeWeb12に参加した際のリービン

Evernoteは最近高級ノートブックのモレスキンとコラボレーションを行ない、モレスキン(つまり紙)に書いた情報をEvernoteにデジタルデータとして転記するサービスを発表している。モレスキンが日々の雑感や日記、大切な旅の思い出などを記録するためのアナログな道具としての存在価値をブランドとしているように、Evernoteは同じく一生かけてライフイベントを記録し続けるデジタルなツールとしての存在価値を、自らのブランドにしようとしている。GoogleやMicrosoftあたりに買収を持ちかけられて、すぐに売り渡すようなリーダーに率いられたベンチャー企業に、自分の大事な人生の記録をゆだねたいと思う者は少ない。だからこそフィル・リービンは、生涯にわたって顧客とつきあえる企業であることを明確にするために「100年続く会社」を標榜するわけだ。

同時に、「100年続く」というのは、「100年間、変わらず革新を続ける企業」でなければならない、と彼は言う。

永遠のスタートアップであるとの意識を社員に対してもアピールすることで、大企業病に陥ることを避けようとしているのだ。

日本企業に学んで100年企業を標榜

シリアルアントレプレナーだったはずのフィル・リービンが「大企業に買収されることを念頭に経営」するより、「永遠に素晴らしいものをつくることを考えたほうが絶対いいビジネスができる」という気分になったのはなぜだろうか。

実はリービンが翻意して、「100年間続く会社」の経営に情熱を燃やすようになったのは、日本の老舗企業から影響を受けたためだと言う。

日本の老舗企業は創業時からの企業文化を継承し、マネージメントが変わっても、過去の伝統や歴史を踏まえて経営を行なっている、とリービンは言う。我々日本人にとっては、それが逆に日本的な大企業病に陥る原因なのでは、もしくは保守的で慎重過ぎる経営の鈍重さにつながっているのではと考えてしまうが、彼には、従来の米国の大企業が、買収を繰り返すことで巨大化したり、市場の声を気にするがあまりに過去の自社の歴史を簡単に捨て去りがちだというように映るらしい。

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