変わりゆくモノ作り迫りくる「新産業革命」

『フリー』『ロングテール』で話題を呼んだクリス・アンダーソンが、今、世界各地で起こり始めている次代のムーブメントを描き出した。

テーマは「製造業の未来」。これまでの製造業は大きな資本、大きな工場、大きな流通網を必要とし、中小企業、ベンチャーや個人にとっては参入の難しい業界だった。

しかし本書は、時代は変わったと説く。ほとんどのモノ作りがPC上で行われている現代、製造業に関してもあらゆるノウハウがデジタル化され、一般人がアクセスできる情報も増えた。同時に、インターネットを使える環境にある人となら誰とでも知識を共有したり、国境を越えて低コストで取引することもできるようになった。そして、自分の作ったモノを披露し、販売することも容易になった。言い変えるなら、PCとアイデアと知識さえあれば、大概のものを設計し、実際に創り出せる時代が到来したのだ。著者は、この新しい波に乗ってモノ作りを始めた個人やグループ、ベンチャーを「メイカー」と呼ぶ。彼らの特徴は商売ありきではなく、自分たちが使いたいもの、欲しいものを作ることだ。さらに、そのアイデア、設計、工程、製品を惜しみなくウェブ上で公開する。そうすることで出資者や協力者、ファンが現れるという構図だ。今まで巨大資本の牙城だった車業界にまで波及してきているこの動きを、著者は「新産業革命」と捉えている。

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