2013年1月号
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Amazonが狙う業界構造革命

アマゾンの米国流マーケティングは日本で成功するか

小田部正明(テンプル大学フォックス経営大学院国際経営ウォッシュバーン・チェア国際経営教授)

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顧客を囲い込むために、次々と新たな策を繰り出しているアマゾン。アメリカで展開されている独自サービスが日本に導入されたら、効果はあるのだろうか。米大学で教鞭を執る国際マーケティングの権威が分析した。

斬新的なドットコム事業の草分けとも言えるアマゾンが創業したのが1994年。その後アマゾンは赤字を続け、01年四半期に初めて利益を計上したものの、経常利益率は0.5%にも満たなかったし、01年全体では赤字続きだった。その後も赤字続きで、通年で初めて黒字に転換したのが03年度である。つまりアマゾンが利益を出すのに8年かかっているわけだ。その間、多くの経営評論家はアマゾンのビジネスモデルに懐疑的だった。

現在のアマゾンの戦略の良し悪しを考慮する前に、ドットコム全体のビジネスモデルとは何かを認識する必要がある。インターネットを利用したドットコム事業とは、一言で言えばマス・マーケティング(MassMarketing)からワン・トゥ・ワン・マーケティング(One-to-OneMarketingないしはCustomizedMarketing)への移行を示している。

コストがかかる「物売り」業収益は「サービス」業から

昔も今も変わらないのは、物を売る限りワン・トゥ・ワン・マーケティングはマス・マーケティングよりもコストがかかるという事実だ。つまり、大きな店を設けて客を待つマス・マーケティングと比べて、一人一人の客の要望に応じて別々の商品を提供したり、配送したりするワン・トゥ・ワン・マーケティングは、受注から発注にいたるまで客一人一人に対応しなければならず配送費が上がってしまう運命にある。アマゾンは本をインターネットで売るところから始まり、その後電化製品等の有形財を売る「物売り」業者として展開していった。注文を受けた商品を顧客の住所に一つ一つ送り届ける仕事は、利ざやよりも配送費の方が高く、売れば売るほど赤字が増えるビジネスモデルだった。顧客ベースが拡大すれば規模の経済性で利益はでると期待されてはいたが、1億人の顧客ベースを持ちながら利益が出なかったのは、まさにワン・トゥ・ワン・マーケティングで商品を売る「物売り」業の基本的な限界を示している。

ではアマゾンが01年頃から徐々に利益を出せるようになった理由は何処にあるのだろうか。

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