2013年1月号
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Amazonが狙う業界構造革命

アマゾンと楽天の顧客は誰か?

水越康介(首都大学東京准教授)

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アマゾンと楽天はアメリカと日本を代表するEC企業だが、想定する顧客は異なる。その結果、ビジネス戦略も大きく変わってくる。

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日本でも、ついにアマゾンが電子書籍用タブレット、キンドルの発売を開始した。興味深いことに、アマゾンに先んじて、日本では楽天がコボを発売して話題になった。評価はまだ思わしくないようだが、短期的に判断しない方が良い。みなが懐疑的なビジネスにこそ、本当のチャンスがあるからだ。

規模拡大の鍵となったビジネスモデルの転換

アマゾンも楽天も、電子書籍云々という前に、考えてみればネット小売業である。国は異なれど、インターネット黎明期にネット小売業に参入し、賞賛だけではなく懐疑的な目を向けられながら今日の成長を遂げてきた。どちらも途中でビジネスモデルの転換を図り、成功している。

アマゾンは、もともと在庫を持たないことを強みにビジネスを始めた。当時の競争相手はオフラインの大手書店であり、彼らのバイイングバワーを向こうに回して、真っ向勝負で価格競争を挑んだのだった。

一方、楽天はショッピングモールとして始まった。今でも同じくショッピングモールだが、収益の決め手は途中で大きく変化した。当初は、参加してくれる店舗から定額で場代を回収していたが、97年、店舗の売上高に応じた従量制課金へと変更したのである。実質的な値上げであり、それまで協力してくれていた店舗が離れるかもしれない危機だったが、楽天は見事に乗り越えた。楽天の収益性は大きく改善し、以降の事業拡大を支える収益基盤となった。

ビジネスモデルを変えることで、企業は大きく発展することができる。その善し悪しは、凡人にはわかりはしない。アマゾンは当時もう駄目だと思われていたし、楽天も同じく、ネガティブな意見が多かった。

アマゾンの顧客は消費者 楽天の顧客は出店者

とはいえ、アマゾンと楽天のビジネスモデルには大きな違いが今もある。主要な「顧客」が異なるのである。

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