「マンU」拡大戦略 欧州2強が壁

成長を続けるマンチェスター・ユナイテッドだが、FA(サッカー連盟)により、経営の自由度が制約されている側面もある。マンUのビジネスモデルを分析する。

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欧州の主要サッカークラブの02~03年と10~11年の収入とその間の収入増加倍率は、下記の図表のとおりである。

一般的には、欧州サッカーのビジネスは「自由競争」の下で行われ、米国のプロリーグのそれは「戦力均衡」を旗印にした社会主義的管理システムと受け止められている。しかし、サッカーの組織構造を分析すると、クラブが行う権利処理や海外戦略には種々の制約が付きまとうと同時に、各国リーグの勢いも収入に如実に反映するようだ。考え方によっては、米国の球団経営よりも欧州のクラブの方が、はるかに難しいかも知れない。

テレビ放映権のシステムが各国で相違

クラブは、チケット・スタジアム内外での販売・テレビ放送権・マーチャンダイジング(商品化)・スポンサーシップの5つの権利を現金化することで収入を得るが、サッカービジネスでは、FIFA(国際サッカー連盟)・UEFA(欧州サッカー連盟)・各国のFA、およびプロのリーグとクラブのそれぞれが、権利を保有して現金化を進める仕組みができ上がっている。

欧州サッカーの最大の特徴は、クラブ間の収入格差である。下記の図表は、10~11年の5大国の収入額上位20のクラブ中から、各国の1位を抽出して比較したものである。

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マンチェスター・ユナイテッドを中心に置いて、クラブ間の相違を列記すると次のようになる。

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