Jリーグのアジア戦略、その全貌
今年に入り、Jリーグはタイ、ベトナム、ミャンマーの各プロリーグとパートナーシップ協定を締結した。この動きは、Jリーグが今、強力に推し進めている「アジア戦略」に基づいている。
「アジア戦略」とは何なのか。その構想をJリーグ大東和美チェアマンとこのプロジェクトの中核を担う中西大介競技・事業統括本部長に聞いた。
アジア戦略―その最大のミッションは、日本サッカーのレベルをさらに高めるために、ライバルであるアジア圏のサッカーのレベルを上げることだ。
この壮大なプロジェクトはどういう経緯で始まったのだろうか。
大東 ここ数年、Jリーグの運営方法を見習いたいとアジアの各国から問い合わせがあり、多くの国がJリーグに研修に訪れていました。日本サッカーは、20年前までアジアでも勝てない時代が続きましたが、Jリーグの開幕以降1998年よりW杯に4回連続出場、また五輪でも結果を残しており、それが認められたのだと思います。Jリーグも20年の節目に迎え、これを機にアジア戦略を本格的に進めていこうということになりました。アジアのなかで切磋琢磨することによってアジア全体のレベルを上げるのが目的です。
中西 アジアの中では世界水準には及ばず、世界大会に出場して初めて世界と向き合う状況にあります。このままでは、我々の最終目標であるW杯優勝には到達できない。W杯優勝を果たすためには、ライバルを強くすることが必要でした。
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