人材業界対決! リクルートHD vs テンプHD

人手不足、売り手市場が続き、政府の「働き方改革」で残業時間が抑えられるなど、人材紹介・派遣業界には追風が吹く。総合力で業界トップを走るリクルートHDと、派遣分野を中心にトップを追い上げるテンプHD。好調が続く両社の今を見る。

求人倍率が年々コンスタントに上昇し、政府の「働き方改革」のもと企業が正社員数や残業時間を抑えるなど、人材紹介・派遣などの人材業界には追い風が吹き、各社業績は好調だ。業界トップに立つのは、人材から旅行、グルメ、車など暮らしの幅広い分野で新たなサービスを創造して成長してきたリクルートホールディングス。「起業家精神」を経営理念の一つに掲げるリクルートでは、2014年度から、社内ベンチャーのアイデアを募り、優秀なプランに資金を提供するプログラムも開始。新規事業を積極的に育成して総合力に磨きをかけている。

一方、テンプホールディングスは、テンプスタッフとインテリジェンスという二大勢力が合体して強靭な企業力を獲得、派遣分野を中心にリクルートを追い上げる。インテリジェンス系とテンプスタッフ系の技術者派遣子会社を統合するなど事業効率化を積極的に進める一方、派遣社員と顧客企業のニーズをマッチングさせるシステムを刷新し、AIへの大規模投資によってマッチング精度アップを狙う。

両社の主戦場は、今やアジアをはじめとする海外に移りつつある。テンプホールディングスは早くから現地企業買収を進めてきたが、リクルートホールディングスも近年では独資から買収に力を入れて海外展開をスピードアップ、存在感を高めている。人手不足で売り手市場が続く国内では、個人の働き方の多様性に企業が合わせていく柔軟性が求められ、海外、特にアジアでは、急速な経済成長と人材市場の変化についていく対応力が求められる。

リクルートホールディングス

株式会社リクルートホールディングス

創業 1960年(大学新聞社・創立)
代表者 峰岸 真澄
グループ従業員数 38,451名(2016年3月末時点)
グループ企業数 287社(2016年3月末時点)
売上高(2016年3月期・連結) 15,886億円
営業利益(2016年3月期・連結) 1,140億円
経常利益(2016年3月期・連結) 1,193億円
事業分野
  1. 「リクナビ」「タウンワーク」「フロム・エー ナビ」等による求人情報提供、人材紹介サービス
  2. 人材派遣
  3. 「SUUMO」「じゃらん」「ゼクシィ」「HOT PEPPER」等による住宅、旅行、結婚、グルメ関連情報提供
  4. 海外人材募集、派遣など

 

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