100件を超える料理店と契約

国内の魚を食べる量が減り、日本の漁業が衰退している。海外の安価な魚が入荷される一方、”ブランド力“で勝負する漁師たちが萩市にいる。漁師を先導する若手女性代表の坪内知佳氏は、萩の魚に価値を与え、新市場を切り開いた。

島の船団3社が合流した。2012年3月「萩大島船団丸」という水産会社を立ち上げた。

一次産業の新規販路を開拓

山口県の萩市大島は、漁船が船団を組み、まき網漁船が盛んな島。しかし、近年の燃料費の高騰や取引値の低迷のため、赤字続きとなっていた。2012年の島の網漁船の漁獲金額は、4年前の約半分ほどにおちこんだという。そこで生き残りをかけて漁師たちが考えたアイデアは、萩の品質の高いブランド魚を直接顧客に届ける「六次産業化」だった。六次産業化法といわれる「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」が2011年に施行されており、これに基づく事業計画の認定が行われている。このうち、農林漁業者等が、農林水産物及び副産物(バイオマス等)の生産及びその加工又は販売を一体的に行う事業活動に関する計画である総合化事業計画の認定状況は、2013年11月29日現在で1690件に上る(農林水産省)。

農林水産省に申請をするためには書類作成が必要だ。萩の漁師の中には行政に提出する書類を作成できる者がいなかった。その時、漁師の長岡秀洋氏の頭の中に一人の人物が思い浮かぶ。翻訳事務所でコンサルタントの仕事をしていた坪内知佳氏だ。坪内氏は「書類作成だけなら」と引き受けた。鮮魚を船上で箱詰めし直接販売する「鮮魚BOX」と、高級干物「船上一夜干し」と「寒風一夜干し」の製造・販売は、六次産業化法総合化事業計画に認定された。これが坪内氏は漁業の世界に携わるきっかけだった。

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り70%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全文読むことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事15,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。