東京湾のクラムチャウダーは三ツ星を獲得できるだろうか? 鮫とホンビノス貝

何事もほどほどの間合いが必要である。相手のことが分かり自分のことも分かっていないと、そのほどほどが分からない。

豊かな東京湾深部の衛星写真
Photo by ototadana

豊かな海になったのか

東京湾。ホンビノス貝は1990年代に移入が確認された外来種で、近年は東京湾奥部の三番瀬近くの浜でたくさんとれるようになり、アサリやハマグリと一緒の店頭に並んでいる

三番瀬とアメリカ東海岸がホンビノス貝でつながった。クラムチャウダーの美味しさを初めて楽しんだのはバージニア州シャーロッツビルのトーマス・ジェファーソンの邸宅への田舎道沿いの小さなレストランでのことである。この東海岸定番の名物料理はジャガイモ、タマネギ他の野菜を賽の目に切ってホンビノス貝と一緒にバターで炒め小麦粉と牛乳をベースとした白いクリームスープでのばして味付けをした料理で、ホンビノス貝の英名Cherrystone clam/Hard shell clamのclamからクラムチャウダーと呼ばれる。このホンビノス貝は1990年代に移入が確認された外来種で、近年は東京湾奥部の三番瀬近くの浜でたくさんとれるようになり、アサリやハマグリと一緒の店頭に並んでいるという。三番瀬は船橋、舞浜、浦安の近くに位置し、盤州干潟、谷津干潟とならんで東京湾奥部の干潟・浅海域を代表する湿地で、魚類をはじめとする海の生物や鳥類の貴重な生息地で、産卵場であり幼魚・幼生が成魚・成体に育つ場所としての役割を担い、東京湾全体の生物の消長にかかわる場所である。そこに何故、外来種であるホンビノス貝が多産するようになったのだろうか?

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