群れない、頼らない、ぶれない、ほめられようとしない

『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』、『キャタピラー』、『11・25自決の日三島由紀夫と若者たち』など、近年、立て続けに話題作を発表してきた映画監督、若松孝二。過激な作品群で知られる〝日本映画界の異端児"は、意外にも資金調達から広報・宣伝も自力で手掛けるプロデューサーとしての顔を持つ。その理由とは-

「群れない、頼らない、ぶれない、ほめられようとしない」。インタビューの最中、若松監督はおもむろにノートを開き、読み上げた。

「これが俺の四原則なんだ」。監督の私物のノートの最初のページに、この言葉が記されている。監督は生前、毎朝必ずノートを開き、この"四原則"を眺めていたという。

1963年のデビュー以来、一切の甘さを排して暴力、性、死といった人間の生々しい部分を赤裸々に描き続けてきた監督は、日本では長らく華やかな表舞台から遠い存在だった。

その一方で海外では注目を集め、世界三大映画祭の1つ、ベルリン映画祭では『実録・連合赤軍〜』が最優秀アジア映画賞と国際芸術映画評論連盟賞をダブル受賞、『キャタピラー』では主演の寺島しのぶが主演女優賞を受賞している。

〝四原則〞を胸に、一貫してコマーシャリズムの対極に身を置いてきた監督は、いかにして挑発的な問題作を作り続けてきたのだろうか。

アイデアのきっかけ「怒り」映画は若者へのメッセージ

若松監督は映画をしばしば「自分にとっての武器」と語っていた。その武器で、何を攻撃しようとしていたのか。映画制作に対する監督の根源的なエネルギーは「怒り」だ。

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