ご当地キャラは地域のバリュークリエイター

キャラクターは使用上の制約が少ない上に年を取らず、幅広い層の注目を集め、共通話題になりやすい。自治体・団体名を付記したデザインのノベルティやLINEスタンプを展開することで、キャラクター自体が周知や評判・愛着形成につなげるメディアになり得る。

キャラクターとは何か

一般的には、「アニメ、マンガ、映画、ゲーム、絵本・童話・小説、街角、商品パッケージや各種グッズ、広告、WEB等で見かける、架空の登場人物や、擬人化された動物・植物・ロボット・宇宙人・妖精等を視覚化したもの」がキャラクターである。何らかの設定や世界観が付与されて感情移入しやすい存在になっている点が、単なる商標・ロゴマークやイラストと異なる。

世間でよく見かけるキャラクターを、出自や主な展開領域で分類してみた(図表1)。

図1 キャラクターの出自によるタイプ分類

①「 ストーリー系キャラ」

アニメ・マンガ・ゲーム等のコンテンツ作品から誕生。少年マンガ誌やライトノベル等、原作があるものが多い。基本設定や世界観が明確で、人気作品では、作品中に登場するそれぞれのキャラに熱心なファンが存在。

②「 ファンシー系キャラ」

最初から玩具・日用雑貨・アパレル等のグッズでの展開を見込んで企画されたものが多い。細かいストーリーより、見た目のかわいさや個性が重視され、キッズや女性のファンが目立つ。

③「 企業オリジナルキャラ」

企業・商品の広告・広報手段として誕生。広告キャンペーンで使われたものが人気を博して定着、企業全体の顔やシンボルになることも多い。

④「 ご当地キャラ」

行政団体や商店街による、地域活性化やイベント告知等の幅広いコミュニケーション手段として誕生。自治体が運営・監修する公式・公認キャラと、企業や個人が運営する非公認キャラに大別される。元々の"ゆるい"ものから、最近は計算して作られた完成度の高い正統派や、ネタになるような個性派・キモカワ系まで、様々なものが併存。

⑤「 インディーズ系キャラ」

個人や有志の同人誌・WEB・ゲーム等から誕生。ファンシー系キャラやご当地キャラとの区別が曖昧なもの多数だが、最近ではLINEスタンプを起点に意外なヒットも記録。

出典/デジタルハリウッド大学院大学「キャラクターマネジメント論」講義資料(著者作成・編集)

 

各タイプとも共通して、国内外の人気キャラクターは強力なIP(Intellectual Property;知的財産)として、キッズや女性向けにとどまらず、様々な業種の企業や団体の広告・広報等多岐にわたるコミュニケーション活動に活用されている。最近は、いわゆる「ゆるキャラ®」とも呼ばれる「ご当地キャラ」が注目され、各地で大量に誕生し続けている。

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