2020年5月号
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DXで見る新事業 100選

小売や飲食、リアル店舗のDX 常連客とつながる新しい仕組み

網永 穣 (22Inc.代表取締役)

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リアル店舗の販促や、リピーター獲得はこれまでアナログな手法が主流だった。店舗の限られたリソースの中、顧客の満足度を向上させ常連客にするには、ITの助けが必要だ。22Inc.では、集客・販促や顧客管理、従業員の士気向上を実現するサービスを開発した。

SHOP FORCE店側の管理画面(左)と、顧客のスマホに送られたクーポン。経営の安定に欠かせない、顧客の「常連化」を目指す

「22世紀に残るサービスをつくる」ことを目指す22Inc.(ニーニーインク:22株式会社)は2012年の創業で、180万以上のユーザーを誇るデジタルスタンプカードアプリ「Stamps(スタンプス)」を展開している。Stampsはスマートフォン1台で、たくさんの店舗のスタンプカードを保有できるアプリだ。

デジタル会員カードから始まる
顧客との関係管理

22Inc.代表取締役の網永穣氏は「消費者のお財布はカードで溢れかえっていることが多く、それを解決したいという想いで、この事業を始めました」と言う。しかし、アプリを提供して事業を続けるうちに、カードを発行する店舗の事情が目に入ってきた。スタンプカードのデジタル化は、店舗側にとっては必須ではない。店舗の真のニーズは、顧客のリピート率のアップや客単価の上昇にあるためだ。

網永 穣 22Inc.代表取締役

インターネット通販の場合には、ある属性を持った個人がいつ何を購入したか、どのウェブサイトにアクセスしたかといった、購入者に関する情報を豊富に得られる。しかし飲食・小売業など、リアル店舗で展開するビジネスは、店舗を訪れる顧客の情報の取得がまず難しい。人手・ノウハウ不足もあり、苦労して得た情報をうまく活用し、実際に販促や顧客管理につなげている企業はあまりないのが実状だ。

そこで、Stampsではアプリを接点に、顧客と店舗の関係を構築できるような機能を発達させていった。ユーザーはStampsをスマホ上のスタンプカードとして保有し、貯めたポイントに応じてクーポンなどが受け取れる。一方、店舗は顧客管理の画面で、いつ誰がどのタイミングでどの店舗を訪れたかや、常連の増減や来店頻度などのデータを取得できるようにした。

「現在は自社アプリを作るのがブームになっていますが、多くのユーザーはスマートフォンにアプリが増えていくのを嫌い、なかなかインストールしなくなっています。このため、様々な店舗を横断して使えるStampsのようなプラットフォームには、存在価値があると思います」。

他方で、既に十分な顧客がいる企業や店舗には、自社アプリで顧客を囲い込みたいというニーズも存在する。それに応え、22Inc.では2020年2月、Stampsの知見を活用した新たなサービス「SHOP FORCE(ショップフォース)」の提供を開始した。

SHOP FORCEは、店舗ビジネスで顧客や従業員のエンゲージメントを高めて売上や従業員定着率を向上させ、経営の安定化を実現するためのサービスだ。このうち、まずは顧客の再来店促進や常連化を実現するサービス「SHOP FORCE CRM(ショップフォース・シーアールエム)」をスタートさせた。

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