「地域を支える」新しい商店街 独自モデルを全国に発信
スタンプ事業をはじめ、日本初の試みを次々と行ってきた烏山駅前通り商店街。同商店街の改革を牽引し、全国の商店街振興をリードしてきた桑島理事長は、商店街の「公共的な役割」の強化に、今後への活路を見いだす。
--桑島理事長は、烏山駅前通り商店街(東京都世田谷区)において、数々の先進的な施策を打ち出してきました。1965年には、日本で初めてスタンプ事業をスタートし、その仕組みは「烏山方式」と呼ばれ、全国に広まりました。スタンプ事業の成功要因を、どう見ていますか。
桑島 スタンプ事業は少ない負担で、安定して顧客を獲得できる効果があります。
現在のスタンプ事業は、1枚2円で組合が加盟店にスタンプを発行し、加盟店は原則、お買い物100円ごとにスタンプ1枚を顧客に進呈します。顧客はスタンプ400枚で台紙が満帖になると、500円の金券として使える仕組みです。
烏山駅前通り商店街は、顧客が喜ぶようなイベントを次々と企画しました。貯めたスタンプは、モノとの交換よりも、体験を楽しむために使われています。
また、商店街と信金との連携も進めています。世田谷区の昭和信用金庫烏山支店では、定期預金をすると、スタンプが貯まるサービスを行っています。こうした取り組みの結果、信金の預金額は大幅に増加し、預金した顧客が商店街に足を運ぶきっかけが生まれています。まさに、Win-Winの関係です。 烏山駅前通り商店街のスタンプ売上げは、90年代後半には3億円を超えて日本一になりました。
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