インドの教育支援を通じ価値とビジネスを創出

リコーでは、CSV の考え方を取り入れた事業の強化に取り組む。事業部門とCSR 部門が連携し、NGO の協力も得ながら、インドの教育支援プロジェクトを実施している。インドの学校では印刷機やプロジェクター等の機器が、先進国のように普及していない。現地で調査や支援を行いながら、ニーズに応えた製品の開発や市場の開拓につなげている。

インドにて、プロジェクターを使用したパイロット授業。

企業のリソースを活用し成長と社会課題の解決目指す

リコーグループの事業活動の基礎となる普遍的な理念の「リコーウェイ」では、リコーの使命を「世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供しつづけることで、人々の生活の質の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献する」としている。

リコーのサステナビリティ推進本部社会環境室CSRグループでシニアスペシャリストを務める赤堀久美子氏によれば、これがリコーのサステナビリティ推進の原点となっている。リコーのCSRグループで現在、特に強化しようとしている取り組みのひとつが「共通価値の創造(CSV)」の考えを取り入れた活動だ。

「持続可能な社会づくりのキーとして企業が貢献していくには、企業のリソースをフルに活かしつつ、企業の成長と社会課題解決の双方を目指す事業やプロセスをいかに実現していくかが重要となります。そのためには、小さくても社内で実例を作り、社会課題への取り組みが価値提供や新しい事業につながることを、社内で理解してもらう必要があります。その事例づくりを現在、事業部と共に進めています」

学生時代から発展途上国の支援に関心があった赤堀氏は大学卒業後、リコーに入社し、デジタルカメラの海外販売などに従事した。しかし、途上国を直接支援する仕事を通じて現場を知りたいと考え、2003年に紛争後の復興支援などをしているNGOに転職した。

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