本で人をつなぐ「小さな図書館」 まちの変化は「一人」から始まる

カフェやオフィス、個人宅から、病院にお寺、アウトドアまで、さまざまな場所にある本棚に人が集い、交流する「まちライブラリー」。全国約350ヵ所に広がった背景には、仕組みに頼らず、「人の思い」を追求する信念がある。

奥多摩のまちライブラリーは、個人宅の離れを改装してつくられた。部屋の前にある庭では、「アウトドア読書&シチューとワインの会」といった交流イベントが行われている

「まちライブラリー」とは本を通じて人と人が出会う、まちの図書館のこと。カフェ、お寺、病院、自宅、公園......。さまざまな場所に本棚を置き、場所もスタイルも自由で、「本」を通してお互いを知り、関係を築いていこうという活動だ。

提唱者の礒井純充氏は、森ビルで社会人教育機関「アーク都市塾」の創設に携わった。その後、産学連携の会員制図書館「六本木アカデミーヒルズ」を立ち上げ、運営を担当した。会費1万円で会員数は3000人。ビジネスとしては成功したと言えるが、どんどん敷居が高くなり、規模が大きくなるほどに人間同士のつながりが薄れていくような感覚を覚えていたという。

礒井 純充(まちライブラリー提唱者・森記念財団普及啓発部長)

転機となった若者との出会い

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