廃校を「地域のための劇場」に つながりの場所をつくる

田舎の廃校に演劇集団がやって来て10年。がらんどうだった体育館は、住民に愛される劇場へと生まれ変わった。廃校とは、「地域の歴史や人々の思いが詰まった場所」。NPO法人「鳥の劇場」は、地方から演劇の可能性を広げ続けている。

鳥の劇場は、鳥取市鹿野町で、使われなくなった小学校の体育館を劇場に改修し、10年間活動を続けている

「とにかく自分たちの演劇ができる場所がほしかった」

鳥の劇場主宰の中島諒人氏は、設立当時をそう振り返る。中島氏は大学卒業後に東京を拠点に劇団を主宰し、2003年に利賀演出家コンクールで最優秀演出家賞を受賞。翌年から静岡県舞台芸術センターの一員として活動する中で、地域と演劇の関わりについて考えるようになり、自身の出身地である鳥取県で拠点となる場所を探し始めた。

地域に根付くために努力

2006年春、鳥取市鹿野町で廃校になった小学校と出会う。建物の状態は良かったが、鳥取市の中心から車で約30分の中山間地に立地し、決して恵まれた立地ではなかった。しかし、中島氏は「きちんとした活動を続けていれば、不便でも人は来る」と信じ、ここに腰を据えることを決める。

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