元公務員、「自立した農業」に挑む 自ら新規就農のモデルケースに

日本の農業に危機感を感じ、脱・公務員。農業経験ゼロから生姜栽培を始め、地元の神社とコラボした加工品開発などで、地域のPRも担う出雲生姜屋。南社長が目指すのは、地域の若者が農業で自立できる未来だ。
取材協力:リンカーズ

 

出雲市斐川町内の60アールの農地で、化学肥料・農薬を使わない「出雲生姜」を栽培

島根県最大の穀倉地帯「出雲平野」が広がる出雲市斐川町。この地で「日本の農業を立て直す!」という強い意志のもと、新規就農した一人の起業家がいる。

出雲生姜屋は、公務員を経て新規就農した南浩二社長が2014年に立ち上げた会社だ。斐川町内の60アールの農地で、化学肥料・農薬を使わない「出雲生姜」を栽培しながら、加工品の開発・販売を行っている。

「小規模農家で自立できる仕組みをつくることを、ライフワークとしてやっていきたいんです」

南 浩二 出雲生姜屋 代表取締役社長

キープレイヤーの存在が重要

南社長が20代の頃、日本の農業の仕組みに危機感を抱いたことが、新規就農に至るきっかけだった。

南社長は大学卒業後、民間企業で営業職を経験した後に海外を放浪、再就職した企業を1年足らずで辞めた。そして、自らの生き方を模索している中で出会った友人と野菜ジュースの事業を立ち上げるため、全国の生産者を巡っていた。その際、小規模でも頑張っている農家が後継者不足で廃れていく現状を知り、「このままでは日本の農業が危ない」と思ったという。

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