「庁内の情報」を便利に、安全に 情報共有の進化、自治体を変革

人事異動の多さや組織での運用など、自治体ならではの課題にも応えるグループウェア「サイボウズ ガルーン」。庁内のコミュニケーションを促進するとともに、災害時の事業継続や、総務省による自治体情報システム強靭化への対応も進む。これからの自治体が選ぶべきグループウェアとは。

「サイボウズ ガルーン」は、スケジュール管理や掲示板、文書管理やワークフローなど、情報共有に必要な機能がワンパッケージで使えるグループウェア

今、自治体の情報共有インフラとして存在感を高めているツールがある。サイボウズのグループウェア製品、「サイボウズ Office」と「サイボウズ ガルーン」だ。自治体への導入件数は544にのぼり、全国1700超の自治体のうち約3分の1でサイボウズ製品が使われている。最近では横浜市が2万人規模で「ガルーン」を採用するなど、大規模での利用が続いている。

また、同製品は、電子自治体専門誌の「自治体ITシステム満足度調査2015-2016」グループウェア部門において、3年連続の第1位を獲得するなど、質の面でも高い評価を得ている。なぜサイボウズのグループウェアは、自治体に支持されているのか。

共有アドレスの運用を改善

「サイボウズ Office」、「サイボウズ ガルーン」は企業でも多く利用されており、「Office」は300名以下の組織、「ガルーン」は300名以上~数万人規模がターゲットになっている。なかでも、高いスケーラビリティと情報統制を備える「ガルーン」は、自治体にとって最適な機能が用意されている。

サイボウズ営業本部ソリューション営業部の勝沢賢一氏は、「ガルーン」の特徴的な機能の一つとして「グループメール」を挙げる。

「『グループメール』は、共有アドレス専用のメーラーです。他社のグループウェアでは、メールボックスを共有することはできても、個々のメールが未処理なのか処理済みかなど、対応状況を把握することはできません。『グループメール』は、一画面で誰がどのメールを処理しているのかわかり、対応漏れや二重対応を防ぐことができます。また、メールに紐づけて『至急お願いします』といったコメントや、これまでの対応履歴に基づくアドバイスを付けることができ、担当者間のコミュニケーションを円滑にできます」

勝沢 賢一 サイボウズ 営業本部 ソリューション営業部

自治体では、数年単位で定期的に人事異動が行われる。新規の担当者であっても過去の対応内容をボタン一つで確認できることは、業務の大幅な効率化につながる。また、標的型メール(特定の組織を狙ったウイルスメール)などを受信しても、メールの対応状況が見えるので注意喚起をしやすく、セキュリティ意識の醸成にもつながる。「グループメール」は、自治体に数々のメリットをもたらすのだ。

「自治体は『課・係』単位で共有アカウントを持っていることが多く、共有アカウントで仕事をする際には、一度、個人アカウントをログアウトして、再度ログインし直す必要があります。一方、『グループメール』では、個人アカウントでログインしたまま、共有メールを利用することができ、さらに一画面で複数のメールアカウントを切り替えて使うことができます」

「グループメール」は、すでに数多く自治体で使われている。例えば、高知県の須崎市・中土佐町・四万十町の3自治体は「ガルーン」を共同利用し、「グループメール」を積極的に活用。個人メールを廃止し、関係者間での調整・確認の手間や時間を効率化することに成功しているという。

「安全」「柔軟」に業務を管理

「グループメール」以外にも、「ガルーン」は数々の特徴的な機能を持つ。その一つが「メッセージ」だ。「メッセージ」は、組織内のユーザー同士で利用できる庁内メールのようなツールだ。

「庁内のコミュニケーションを外部のネットワークを経由せずに行うことで、インターネットの脅威から組織を守ることができます。『メッセージ』は電子メールと異なり、ガルーンに登録されたユーザーだけで使っているので、情報漏えいの心配もありません。組織内で完結する連絡手段を持つことのメリットは多く、メッセージの送信後でも内容や宛先を変更できたり、時系列で過去のメッセージをたどることも簡単にできます。臨時職員の採用など、急な組織変更の際には、メールアドレスを付与しなくても『ガルーン』のアカウントだけあれば、柔軟に運用することできます。

導入に際しては、最初は基本的な機能に絞って利用を始め、慣れてきたら利用を拡大するなど、各自治体に合った使い方ができます」

長期間の利用を考えると、誰でも直感的に操作できる「ガルーン」と導入後に専用のヘルプデスクを設けなければならないような難解なグループウェアでは、情報システム部門にかかる負担の差は歴然である。

ネットワーク強靭化にも対応

昨今、災害時の連絡手段を確保することも重要になっている。サイボウズは、いくつかの自治体と「災害対策協定」を結んでおり、緊急時には、自治体職員が庁外からもリモートで「ガルーン」にアクセスできる環境を提供している。勝沢氏によると、災害時の対応をさらに強化していくという。

「万が一、庁内のサーバーがダウンした場合でも使えるように、緊急時には当社のクラウドで『ガルーン』を提供することを考えています」

また、現在、着々と進めているのが「LGWAN(エルジーワン)」への対応だ。「LGWAN」とは、インターネットから分離された自治体専用のクローズドなネットワークであり、自治体の情報セキュリティを強化するために、総務省は政策的にLGWAN経由での情報システム利用(LGWAN-ASP)を推奨している。

サイボウズもLGWANに対応した「ガルーン」の提供を視野に入れている。実現できれば、自治体はサーバーの管理から解放され、より安全なネットワークで「ガルーン」を利用できるようになる。

より良い公共サービスの提供や災害対策、地方創生など、自治体が抱える課題を解決するために、組織内の情報共有の重要性は日々高まっている。「ガルーン」は、そのような情報共有の基盤となるべく、今後も進化を続けていく。

「グループメール」のメリット

個人のメールソフトと比べて、こんなに変わる

個人メールソフトの場合

 

  1. ・他のメンバーの対応状況がわからず、対応漏れや二重対応をしてしまう
  2. ・過去の対応内容がわからず、同じことを何度も聞いてしまう
  3. ・各クライアントパソコンに個人情報が散在
  4. ・伝達事項やアドバイスはメールとは別管理になるため、情報が錯綜する

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