中小企業、自治体も続々 デジタルマーケティングのケーススタディ

中小企業や地方自治体でも、デジタルマーケティングへの取り組みが始まっている。顧客のファン化による製品の拡販、観光誘客の最適化、一次産業の高度化と、応用範囲は幅広い。成功する事業者のノウハウを探る。

デジタルマーケティングは大企業だけでなく、中小企業や地方自治体にも有効である(イメージ)

デジタルマーケティングとは

ウェブマーケティングとデジタルマーケティングは何が異なるのか。ウェブマーケティングは、SEO(検索エンジン最適化)対策やリスティング広告などによって主に自社ウェブサイトへの流入を増やすことが目的だ。一方、デジタルマーケティングの目的は「あらゆるチャネルを使って、ブランド価値を最大化し、収益に繋げること」であり、ウェブマーケティングも内包されるものだ。

商品やサービスを知らない、あるいは無関心な人と接点を持つこと。商品への関心層を増やし、関心を好意に変えて購買に繋げること。さらに、熱烈なファンになってもらい、リピーター化すること。このような企業と消費者のコミュニケーションは、宣伝・PR、販促、ナーチャリング(有望な見込み客の育成)、営業、販売行為、会員化、カスタマーサポートといった一連の活動によって行われる。

これらにデジタルデータやデジタルチャネルを総動員して、顧客分析と顧客理解を行い、マーケティングの効率化・最適化・付加価値化を推進する。顧客一人ひとりの好みやニーズにあわせて販売活動をするOne to Oneマーケティングの実現の手段としても注目されている。

ランドセルの魅力を動画で伝えるトヤマかばん店(同社HPより)

柳田織物はブログ、Facebook等を活用し、男性中高年のファンを獲得(同社HPより)

デジタルマーケティングにおいては、自社のウェブサイト・EC・メディアだけではなく、ソーシャルメディア(ブログ、SNS、動画共有サイトなど)や外部サイトもデータ分析やチャネルとして役立てられる。また、ビッグデータ、位置情報、ウェアラブルデバイスやIoTで得られる情報も重要なリソースとなる。

デジタルマーケティングというと、資金力のある大企業が取り組むことで、中小企業や地域には縁遠いものというイメージがあるが、それは間違いだ。むしろ、後述する事例のように、デジタルマーケティングを実施し着実に成果を積み上げている中小企業や自治体は多い。

大阪信用金庫の会員制SNS「だいしんなんでもネット」

中小企業によるソーシャルメディア活用

ソーシャルメディアは顧客とコミュニケーションできる強力なチャネルであり、販売促進や、企業・ブランドの認知向上に活用される。また、製品開発やアクティブサポート、顧客同士のコミュニケーション等にも使うことができる。

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