街の「深い魅力」を見える化 観光を変えたマーケティングの科学

異国情緒あふれる街並みが残され、多くの観光客で賑わう神戸市。しかし、そのほとんどがリピーターであり、関東圏からの来訪もわずか。潜在客の開拓に向け、神戸市はデータ分析を基に、新たな切り口で街の魅力を発信する。

神戸市は、年代別・男女別に観光客のニーズを把握。ターゲット層に向けて、観光協会のサイトで、神戸の魅力を紹介する1分間動画を配信した

今、全国各地の誘客競争が激化している中で、データの活用は観光振興の新しい方策になり得る。

神戸市は、関東からの観光客誘致を目的に、ビッグデータを活用したマーケティングを強化している。ウェブの情報から見えてくる世代別・男女別の嗜好、行動パターンと、神戸での観光行動を結び付けて分析。明確なターゲット別のプロモーション動画を制作し、効果的な施策につなげている。

アンケートでは測れないニーズ

2013年度に神戸市を訪れた観光客は3573万人。長期で増加傾向が続いているが、うち約85%はリピーターだという。

「リピーターが多いということは、裏を返せば、新しい観光客を取り込めていないことを意味します。特に遠方からの宿泊客を、新たに獲得するにはどうすれば良いのか。そうした問題意識を持っていました」と、神戸市産業振興局観光コンベンション部の藤田修司氏は語る。

藤田修司 神戸市 産業振興局 観光コンベンション部

しかし、従来型のアンケート調査では、潜在的な見込み観光客のニーズは測れない。

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