不動産価格予想サービスGEEO アルゴリズム応用で異分野参入

オープンデータの事業化では、アルゴリズムをいかに作るかがポイントの一つ。優れたアルゴリズムを応用し、海外市場や異分野に市場を広げることもできる。不動産価格予測サービスで注目を集める、「GEEO(ジーオ)」の事例に学ぶ。

不動産価格予測サービス「GEEO」

不動産取引の情報格差の着目

地図上をクリックするだけで、日本中の不動産の予測成約価格を調べられる「GEEO」。昨年10月のリリース以来、Mashup Awardオープンデータ部門最優秀賞、オープンデータ・アプリ総務大臣奨励賞を相次いで獲得するなど、大きな注目を集めるオープンデータサービスである。

開発者の小谷祐一朗氏(おたに代表取締役CEO)は、アメリカの大学院で社会調査や統計学を学んだデータサイエンティスト。「不動産取引での情報格差」に疑問を抱いていたことが、サービス開発のきっかけだという。

小谷祐一朗 おたに 代表取締役 CEO

「不動産取引は、物件の履歴など多くの情報を持つ売主が圧倒的に有利です。一方、買主は物件内覧などの限られた情報の中で判断するしかありません。価格決定のプロセスも素人にはわかりにくい。第三者的立場で簡単に物件の販売価格が算出できるサービスがあれば、多くの人に喜ばれ、市場の健全化につながると考えました」。学生時代から温めていたアイデアを、ビッグデータ分析の環境が整ったことを契機に、約3年かけてサービス化した。

GEEOでは路線価、国勢調査、住宅・土地統計調査などの官公庁系オープンデータをベースに、1000項目以上のデータを集め、独自のアルゴリズムで物件の販売価格を予想している。予測価格の時系列的な変化、予測価格の地域的な高低をヒートマップで可視化することもでき、「技術的には週単位・月単位などでの価格算出も可能」という。

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