スマホで購買行動はどう変わるのか 増加する「衝動買い」に商機

スマホ普及率が50%を超え、買い物のスタイルにも変化が起きている。中でも「ポチる」、「ポチった」と言われるスマホによる衝動買いの増加が顕著だ。スマホ世代を取り込む、ECサイト、アプリ開発のポイントとは?

「衝動ポチり買い」の経験有無

出典:NTTアド『先事新聞』Vol.33

インターネットを利用するツールがPCからスマホに変わることで、購買行動はどう変わるのか。さまざまなトレンドをリサーチするNTTアド『先事新聞』編集長の小林勝司氏は、「スマホによる『衝動ポチり買い』をいかに誘発するかが、今後のECサイト、アプリ開発のポイントです」と話す。

「仲間との会話が盛り上がると、思わずその場で関連する商品をスマホで衝動買いしてしまう行動を『衝動ポチり買い』と名付けました。さまざまなシーンにおいて、まるで備忘メモを取るように、その場で即決購入する機会が増えています」

小林 勝司 NTTアド コミュニケーションデザイン局『空気読本』『先事新聞』編集長

仲間うちの価値観が購買に直結

『先事新聞』では昨年11月、「スマホによる衝動買いの実態把握」をテーマに、10代~50代の男女を対象に調査を実施。結果、「スマホによるネットショッピング経験者」のうち37.0%、スマホ利用者全体の19.5%が「衝動ポチり買い経験者」で、スマホの利便性、機能性、機動性を活用したショッピングが、新たな購買行動として顕在化しつつあることがわかった。

「中でも特徴的なのは、『友人・知人のSNSでの情報で衝動的に購入した』、『仲間うちで会話が盛り上がって衝動的に購入した』といったケースです」

特に20代はLINE世代で、グループ機能を使って目的・趣味・趣向に合わせて、細分化したコミュニティを持つ傾向がある。さらに、そうした仲間うちでシェアされる情報に対するロイヤリティが非常に高い。つまり仲間うちの価値観や評価が、購買行動に強く結びつくのだ。

「仲間うちでのコミュニケーションが即時の購買行動に結び付く人たちは、とりわけ購買意欲も強いのが特徴です。こうした20代が今後、スマホ消費を牽引していく存在になると予想されます」

出典:NTTアド『先事新聞』Vol.33

ターゲットの特性を正しく把握

「衝動ポチり買い経験者」の割合が最も多かったのは、30代の女性。スマホに対するリテラシーが高く多様な機能を使いこなし、商品比較情報や価格情報に敏感で、他者との情報共有も活発な世代だ。

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