自治体が電力会社になる? みやま市が初の電力販売参入へ

地域のエネルギー事業は、発電だけではなく小売り分野にも大きなチャンスがある。福岡県みやま市は、2016年の家庭向け電力小売り自由化を見据えて「自治体PPS(新電力)」として事業参入する構想を打ち出した。その狙いとは?

福岡県みやま市は平地が多く、太陽光発電の適地。この資源を活用したPPS構想を打ち出した

7.5兆円の新市場が生まれるとされる、2016年の電力小売り全面自由化。すでに多くの企業が電力小売りビジネスへの参入を目指しているが、この動きは自治体にも広がってきた。

その先頭を走るのが、福岡県みやま市のPPS。まだ構想段階で、今後議会に諮る必要があるが、もし承認されれば、みやま市は群馬県中之条町に続き、自治体PPSを手がける市となり、電力の自給自足の実現に向けて一歩を踏み出す。

みやま市は平地が多く、日射量や気温が太陽光発電に適した土地。同市にはメガソーラーが3機あるほか、市内の1万4000世帯のうち1000世帯が自宅屋根に太陽光発電を導入している。市内で生まれるこれらの再生可能エネルギーの発電量を総計すると、晴れた日には市内で昼間に使用される電力を100%まかなえるという。さらに、残さによるバイオマス発電施設の建設も計画されている。

目的は市民サービスの拡充

再生可能エネルギーの可能性に満ちたこの土地で、自治体PPS構想はどのように生まれたのだろうか?

自治体PPSの設立は、みやま市が経済産業省の補助事業である「大規模HEMS情報基盤整備事業」に採択されて実施する、国内最大級のHEMS事業と連動したプロジェクトになる。同市と提携してHEMSの実証事業を担い、自治体PPS構想もサポートするエプコの取締役・磯部達氏はこう振り返る。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り70%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。