サービスデザイン2 Squareやバンアメに学ぶ体験価値創造

日本でも注目度が高まっているサービスデザイン。識者によってその定義もさまざまだが、実際にどのようなサービス開発に活かされているのか、そして、その実践にはどんな要素が必要なのだろうか。

“購買行為を幸せにする”という社是を持つSquareは、サービスデザイン的視点で新サービスを開発

2014年11月号の本連載では、欧州発祥の事業開発手法「サービスデザイン」について、その成り立ちやプロセスについて説明した。今回は、デザインエンジニアリング会社であるtakram design engineeringのディレクター、渡邉康太郎氏による事業構想大学院大学での講演(主催:宣伝会議)から、サービスデザインの本質を紐解いていく。

あらゆる領域に応用可能

サービスデザインはデザイン思考から派生した概念で、製品や機能をそれ単体で提供するのではなく、周辺や「体験」を含めたサービスとして提供する、という手法だ。その代表例がiPhoneやiTunesであり、欧米では公共サービスの設計にも活用されている。

渡邉康太郎takram design engineeringディレクター

渡邉氏は「サービスデザインの定義は人によってさまざまで、答えはない」と言い、サービスデザイン的なアプローチで考案されたプロダクトやサービスの例を挙げる。

例えば、クレジットカード決済システムのSquare。スマートフォンやタブレットのオーディオジャックに取り付けた小型端末でカードを読み取る仕組みで、個人事業主のレジシステムとして普及してきた。注目すべきは「Square Wallet」というサービスで、事前にカードと利用者の顔を登録しておけば、店舗で名前を言うだけでカードを使わずに買い物できるという仕組みだ。

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