世界で開花する「香りの技術」 強みは日本らしい「細やかさ」

業界でもいち早くグローバル市場の開拓を進め、現在では、27の国・地域に拠点を設けている高砂香料工業。その強みは、「日本企業ならではの細やかさ」にある。

各国のチームが、現地の市場トレンドと消費者ニーズを捉え、香りづくりをリードする

普段何気なく口にする缶コーヒー。口に含んだときに感じられる芳しいコーヒーの香りは、飲料の味わいをさらに引き立たせてくれる。味覚に一役買っているその香りは、香料メーカーの繊細は技術によってつくられている。加工食品の多くは、熱処理などを施す過程で食品が持つ本来の香りが弱まってしまう。そのため香料を後付けすることで、風味を補っているのだ。

香りの「本場」でビジネスを展開

食品にとどまらず、香水、洗剤、化粧品など、香料は日常のあらゆる場面で使われており、今や日常生活を支えるためになくてはならない存在だ。そんな香料をつくり出す国内最大手の香料メーカーが、1920年に創業した高砂香料工業だ。

国内外の売上げ比率は、国内が約51%に対し海外が約49%。世界でも売り上げ規模で第5位につけるグローバル企業である。

高砂香料工業が海外進出を開始したのは、1960年代のこと。自動車産業でさえグローバル化の緒に就いた時代である。

当時まだまだ世界へ目を向ける企業が少ない中、香りという人の感性に訴える商材で世界を見据えたのだ。

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