「発明の共通法則」が生んだ科学的発想法トリーズ

ロシアで生み出された発明的な問題解決の理論「TRIZ(トリーズ)」。膨大の数の特許を検証・分析し、発明の共通項を法則化して生み出されたトリーズは、誰でも使えるツールとして体系化され、身近な問題解決に役立てることができる。

   

TRIZ(トリーズ)とは、身近な問題解決の手法です。ロシアの特許審査官、G・アルトシューラーは1950年代、何千件もの特許を分析して「発明のコツ」を抽出していき、共通する要素を法則化しました。そして、「ある分野で新たに解決された問題は、9割方、他の分野ではすでに解決済みのアイデアである」ことを発見し、分野を超えて利用できる40の方法にまとめたのです。その方法が、トリーズの発明原理です。

現在、さまざまな創造技法、発想法が考案されていますが、それらは自分の中にある経験や知見を別の視点でとらえ直し、発想を生み出すものがほとんどです。一方、トリーズには手法そのものの中に「異分野の知見」が含まれており、画期的なアイデアにつながりやすくなっています。

Amazonはアイデアの宝庫

 

40ある基本原理のうち、今回は「分割原理」、「入れ子原理」、「先取り作用原理」について説明しましょう。

「分割原理」とは、文字どおり「大きいもの、量が大きいものは分割する」というものです。たとえば、電車が複数の車両に分かれているのは、当たり前だと思うかもしれません。しかし、これによって時間帯ごとの需要に応じて編成を変えることができます。一見、当たり前のようなことでも、「もし、まったく分割されていなかったら」と考えてみると、「分割原理」の効力が感じられるはずです。分割は、適応性や融通性の向上につながるのです。

ここで一つ、質問です。

  1. (1)全体で222位の本
  2. (2)科学・テクノロジーカテゴリーで3位の本
  3. (3)工学カテゴリで1位の本
  4. (4)発明・特許カテゴリで30日間1位の本
 

この4冊の本のうち、最も興味を惹かれるのはどの本でしょうか?

おそらく4番だと思います。実は、これらはすべて私の本(『トリーズ(TRIZ)の発明原理40』)のAmazonにおける順位です。Amazonは本のカテゴリを詳細に分割し、対象となる顧客に対して「カテゴリで1位」であることを示すことで本の魅力をわかりやすい形で伝え、購買につなげています。Amazonはアイデアの宝庫で、「入れ子原理」、「先取り作用原理」も活用されています。

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