日本発EdTech、世界を駆ける NHK・Eテレとのコラボも

教育とテクノロジーを融合させ、イノベーションの創出を目指す「EdTech」。アメリカで先行して盛り上がったEdTechは、日本にも飛び火。日本からも、グローバル展開を進めるベンチャーが続々と登場している。

EdTechの分野でも、設立当初から世界を見据えた日本発のベンチャーが誕生している。彼らは、どのような成長戦略を描いているのか。スマートエデュケーション、Lang-8という2社の戦略からEdTechの成功要因を探る。

成功を導いた3つの要因

池谷大吾(いけや だいご)スマートエデュケーション代表取締役

「自宅で自分の子供たちがスマートフォンで自由に遊ぶ姿を見たのが、乳幼児向けの『知育アプリ』開発のきっかけです」と話すのは、スマートエデュケーションの池谷大吾社長。直感的操作で2歳児や3歳児でも簡単に操作できるタブレットなどスマートデバイスに、新たな教材の可能性を見出した。同社の知育アプリのダウンロード数はまもなく1000万に届くという。

2011年6月に起業した当時、国内で本格的な子供向けアプリはほとんど出ていなかった。

「既存の幼児向けの教材をつくっている会社は、デジタルコンテンツ制作のノウハウに乏しいところが多かった」

池谷社長は、サイバーエージェントグループで課金サイト、SNS サイト、ソーシャルアプリなど数多くのモバイルメディアを企画・開発した経験を持つ。そのノウハウを活かしたのだ。

スマートエデュケーションは国内向けのアプリを「こどもモード」というブランドで企画・開発・販売している。この「こどもモード」には、3つのこだわりがある。

1つ目は、親子や仲間と楽しめるアプリであること。ママが子供を抱きながら楽器を鳴らしたり、親子や仲間で一緒に遊べる工夫が満載だ。

2つ目は、本物へのこだわり。幼少期は最も敏感な時期だ。音楽アプリではプロのシンガーが歌い、本物の楽器の音を収録。良質な音、良質な絵、良質な操作感を追求することで豊かな感性を育てる。

そして3つ目のこだわりは、安全・安心だ。乳幼児が誤って有害サイトに接することがないよう広告掲載は一切なく、設定した機能のみが使えるような無料アプリも公開している。

「絵本の売上ランキングのトップクラスは、10年間不変なんです。良いものは残りますし、アプリ業界でもそれは可能だと考えています」

2011年11月に発売した最初のアプリ「おやこでリズムえほん」は大好評。続くアプリも、それぞれ順調にダウンロード数を伸ばし、月間アクティブユーザーは約100万人にのぼる。良質で完成度の高いアプリをいち早く国内市場に出したことが、事業成功の要因だった。

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