イノベーションを生む科学者集団

社員のほぼ全員が理系研究者であるリバネス。科学の力で世の中を変えることを目指し、次々と新事業を立ち上げる。理系集団を率いる丸代表の、常識にとらわれない経営手腕が注目されている。

社員自ら仕事を創る、自由闊達な社風に惹かれる研究者は多い

出前授業から養豚まで

「何をやってる会社かわからない、とよく言われますね」。リバネスの丸幸弘代表取締役CEOは笑う。中学高校への出前科学授業、科学雑誌の発行、植物工場、町工場活性化、さらには養豚まで―。確かにリバネスのサービス領域は広い。

ただし、あらゆるサービスはひとつの目的を共有している。「当社のビジョンは『科学技術の発展と地球貢献を実現する』。科学で地球を良くすることなら、何でもやります」。中心にあるのは教育事業で、未来を担う子どもと、最前線の研究者の両方を育てることが目的。社名のリバネスとはLeave a nest、巣立ちという意味だ。

丸 幸弘 リバネス代表取締役CEO

約50人の社員すべてが修士以上の研究者で、ほとんどが理系だ。会社から与えられる仕事はなく、社員が次々に新事業を立ち上げ、関連会社数は軽く10を超える。「社員全員が超人ですよ」と丸氏は言う。

リバネスを創業したのは2002年、東大大学院生の時だ。それまで起業意識は全くなく、大学教授になる人生設計を描いていた。「とことん研究が好きで、自分の研究室を持ちたかった。でも教授になれる50歳までとても待てない。ならば会社を作って自分の研究室を持とうと考えたのです」。

起業のもう一つの理由は、日本の科学技術への危機感だ。「東大に入ると、確かに優秀な人は多いけど、内側に篭っている人ばかり。日本はこれだけ科学研究に投資しているのに、なぜ新事業やイノベーターが出てこないのかと考えました」。

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