開業3年で「日本一」評価のホテル

開業から3年で全国ホテルランキングの頂点に立ったのがホテル龍名館東京だ。革新的な施策を次々と実現できた拝啓、経営要素はどこにあるのだろうか。

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ホテル龍名館東京外観

世の中には離職率の高い業界がいくつも存在する。そうした業界にあっては、ブランド力のある企業でも年間離職率が5割を超えることも珍しくない。ホテル業界もそのひとつだ。ところが、ホテル激戦区の東京都心に、離職率が1割にも満たないホテルが存在した。

しかも、そこは、開業後わずか3年で、日経トレンディ「2012年ホテルランキング」のビジネスホテル部門で全国第1位を獲得したほか、外国人宿泊客の評価も高く「ミシュランガイド」(2012&2013)に掲載されたという。

大多数の同業他社が悩む「高離職率」問題の解決と、「顧客満足」をどのように実現したのか? そして、両者の間にはどんな相互連関があるのか?これは、ホテル業界とは限らず、同じ問題を抱える他業種の人々にとっても興味を惹かれるテーマであろう。そこで、上記のホテル、「ホテル龍名館東京」を運営する龍名館の代表取締役社長・浜田敏男さん(59)にお話を伺った。

知る人ぞ知る「龍名館」とは?

まずは、同社の概要をご紹介しよう。創業が1899年で、現在、資本金約1億2千万円、年商16億円、従業員約100人。

ホテル・旅館・飲食業と、貸しビル業を事業の両輪としており、それがホテル単体経営と異なる収益基盤の強さを生んでいる。前者は、上記の「ホテル龍名館東京」(八重洲)、明治創業以来の「旅館龍名館本店」(神田駿河台)、日本料理の「花ごよみ」(八重洲・六本木)を展開。後者は、都内に5棟を有する。

一般にホテルのランクは、価格帯・サービス内容から、ラグジュアリー→ビジネス→エコノミー...というように分類される。

同社躍進の原動力になっている「ホテル龍名館東京」は、客室135室で、シングル・ツイン・スイートなど12種類の客室があり、価格帯は、食事代を含まず、17,000円から77,000円まで。"ハイグレード・ビジネスホテル"ないしは"スモール・ラグジュアリーホテル"と位置づけられ、宿泊客にはアッパーミドル・クラスが多い。

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