共感を呼びバイラルを起こす

グロースハックは、狭い意味では、IT業界でのエンジニアリング領域で捉えられているかもしれない。しかし、広い意味では、オフラインでの様々なアクションも、グロースハックと呼ぶべき手法と言える。
Text by 梅木雄平(The Startup代表取締役)

機能追加やクーポン発行が、ユーザーグロースの起爆剤に

機能追加が爆発的なグロースハックに繋がることもある。サイバーエージェントが運営する女性限定完全匿名コミュニティGIRL'S TALKはブログ機能を追加した5ヶ月後にはPVが倍増している。GIRL'S TALKプロデューサー原礼氏にブログ機能を追加した背景を聞いた。

サイバーエージェント・原礼プロデューサー

女性限定サービスとして注目を集めるGIRLʼS TALK が最近追加したGTVoice

「女性は他者からの共感を欲しており、自身の恋愛文脈を綴り共感を得るには掲示板よりブログが適していると考えました。アメブロユーザーは女性比率が高く、女性がログを付けることに興味があるのではないかという仮説もありました」。

ブログ導入後の効果について原氏はこう語る。

「掲示板とブログのアクティブユーザーは全く違う動きをしています。掲示板に投稿するユーザーがブログでは閲覧側になり、ブログに投稿するユーザーは掲示板では閲覧するという、逆転現象が起きました。最近はGTVoiceという機能も追加し、最終的にはいつでもGIRL'S TALKで時間を潰せるというサービスを目指しています」。

機能追加でユーザーの滞在時間が増え、結果的にグロースハックに繋がった好例といえるだろう。

また、会員制デザイン雑貨EコマースのMONOCOは会員制であるがゆえに、「招待した人と招待された人それぞれにMONOCO上で使えるクーポン」を発行したことでグロースハックの確度を急上昇させた。招待で増えるユーザーを「バイラル係数」という指標で管理し、その増加を狙った。1人のユーザーが1人新規で招待したらバイラル係数は「1」。当初は招待した人のみにクーポンを発行していたが、招待された人にも発行することで、バイラル係数を高めたという。

オフラインでの対面で共感を呼びバイラルを起こす

グロースハックといえばデータ分析を起点にユーザーを伸ばすために様々な施策を打って改善し続けることであるといえるが、データ分析はオンラインだからこそ有用である。オンラインでのデータ分析に欠けるからといって、グロースハックが成立しないと言い切ることはできない。オフラインでも地道な施策によりユーザー数を着実に伸ばしているサービスもある。

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