世界初のリカバリーウェア市場を創出

2020年の夏季五輪の東京開催も決まり、スポーツ関連業界を筆頭に日本の産業界が勢いづいている。

今年度の売上見通しは7億円に達する。この売り上げを支えているのは、15名の社員(内3人はパート)。中村社長はスタッフの貢献、感謝を強く口にする

そんな中、日本のベンチャー企業の開発したウェアが、世界市場において、「革命的なスポーツ用品」として注目され、国内トップ・アスリートたちに愛用されているという。

そればかりか、最近では、一般のスポーツ愛好家はもとより、さらには、慢性的な疲労に苦しんでいるビジネスマンや健康志向の女性たちに、急速に普及しつつあるという。

神奈川県厚木市に本社を置く株式会社ベネクスが、最新ナノテクノロジーを活用して独自開発した「リカバリーウェア」がそれだ。

このヒットにより、社員数15人(内3人パート)という典型的ベンチャー企業ながら、今年度の売上見通しは7億円に達するという。

一体どんな商品なのだろうか? 同社代表取締役の中村太一さん(33)にお話を伺った。

最新ナノテクノロジーを活用して独自開発した「リカバリーウェア」商品群。フィットネスクラブ「ゴールドジム」の担当者が、アスリートの疲労回復用として着目したところから火がついた

「攻めの休養」でパフォーマンスを極大化

ベネクス・中村太一代表取締役「パフォーマンス・レベルを100にしたいと思うならば、休養レベルも100にする必要があります」

一般にアスリート用のスポーツウェアと言えば、トレーニングや競技の時に着用することで、その選手のパフォーマンスを極大化し、好結果へと導くものを指してきた。好タイム連発の原動力として、一時、世界を騒然とさせた英国スピード社の競泳水着「レーザー・レーサー」などは、その恰好の例だろう。

ところが、ベネクスのウェアは、そうした"常識"を覆す。

トレーニングや競技の時には決して着用してはいけない。あくまでも、就寝時のパジャマ代わりとして、あるいはリラックス時のホームウェアとして使用するのだという。

中村さんは、概ね、次のように解説してくれた。

「近年のスポーツ科学の発展には著しいものがあり、いかに効率的な『運動』をするか、いかに効率的に『栄養』を摂取するかについて、数々の成果を挙げてきました。

ところが、『休養』に関しては、"これ!"といった方法が見出されず、結局は、寝ることくらいしか方法がありませんでした。

リカバリーウェアは読売ジャイアンツ高橋由伸選手も愛用

そのため、多くのアスリートが、慢性的な疲労と、それによるパフォーマンスの低下という問題に悩まされ続けました。

パフォーマンス・レベルを100にしたいと思うならば、休養レベルも100にする必要があります。効果的・効率的な休養が取れず、休養レベルが30程度なら、パフォーマンス・レベルも30前後になってしまうものなのです。

各種のサプリメントやドリンクなどを飲むことで、30を40に上げることはできるかもしれませんが、それでは不十分です。

リカバリーウェアというのは、リラックス時や就寝時に着用することで、休養レベル100を実現し、その結果として、パフォーマンス・レベルを100へと導くものなのです」

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