1本21万円!高級ボトリング茶飲料

1本21万円。高級ワインと見紛うばかりのハイセンスなボトリング茶飲料が人気を呼んでいる。

キング オブ グリーン マーサ スーパー プレミアム専用桐箱入り(21万円)1本/750mL、原材料はやぶきた、自然仕立ての日本茶=煎茶(天竜茶)。名前の由来は生産者の太田昌孝名人を尊重してのもの。特長は日本人が好きな旨味と甘み

昨今、少しずつ高級品の売れ行きが伸びているとは聞いていたが、「まさか!?」と思わず耳を疑うようなニュースが飛び込んできた。1本2万1千円、さらには21万円もする、しかも、高級ワインと見紛うばかりのハイセンスなボトリング茶飲料が人気を呼んでいるというのだ。

アベノミクス効果が喧伝されているとは言え、一般のビジネスパーソンの生活実感はいっこうに上向きにならず、むしろ厳しさを増すばかり。それなのに、なぜ今、そのような高級茶飲料が売れるのだろうか?そこで、今回、製造・販売元であるロイヤルブルーティージャパンの代表取締役会長・佐藤節男さん(60)にお話を伺った。

「お酒を飲まない人々」の不公平感解消が原点

「航空機のファーストクラス、高級レストランや料亭などでしばしば経験することですが...」と、佐藤さんは、語り始める。

「ワインをはじめお酒に関しては、1本数万円もするような高級品がそろっているのに、ノンアルコール飲料については、せいぜい数百円程度の烏龍茶やジュースしかないのが現状です。

飛行機のファーストクラスや、ホテル・レストランのパーティでは、同じ金額を払っている訳ですから、お酒を嗜まない人からすれば、何とも釈然としない思いがあるのです。

それに、お酒は、高級な料理に見合ったハイレベルのものを飲めるので、お酒と料理の相乗効果を期待できるのですが、ノンアルコール飲料は、料理のレベルに見合っていないので、料理の良さも引き立たない。

そのため、宴も酣たけなわになるにつれ、お酒を飲む人のテンションが上がっていくのとは裏腹に、飲まない人のテンションはどんどん下がっていく。私は、こうした状況を打開したかったのです」

近年の日本社会の顕著な特徴のひとつに、「学校や職場における"飲みニケーション文化"の衰退」がある。

(左)キング オブ グリーン マーサ プレミアム 木箱入り(2万1千円)。原材料は煎茶の最高峰「天竜茶」。「遠州・山のお茶」と呼ばれ、静岡県西部を流れる天竜川上流域に位置し、壮大な自然の中で栽培されているお茶の総称
(右)農園の風景

「今や、20代男女の3人に2人は、お酒を飲まない、もしくは飲めない」というデータすら存在するという。

そんな、メジャー勢力となりつつある「お酒を飲まない人々」の不公平感が臨界点を超えようとする絶妙なタイミングに登場したのが、佐藤さんの「お酒を飲まない人々のための高級茶飲料」だったのである。

JTBの営業マンから起業家に

佐藤さんは、元々、JTBの営業マンで、新宿3丁目支店の営業課長を最後に、47歳で独立。当初は、中国茶を中心に、お茶の基礎知識・淹れ方・飲み方などを教えていたが、やがて、神奈川県藤沢市の教室・事務所で、お茶と軽食を出す飲食店も始める。

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