「アイデア鉛筆」で楽々発想

鉛筆を一振りするだけで、新しいアイデアを得られる。1本の鉛筆でも、工夫次第で価値のあるツールに早変わりする。同じように、日常には、たくさんのビジネスの種が転がっている。

すぐれた発想とは、情報の組み合わせから生まれます。多くの人の頭の中には、すでにたくさんの情報が眠っています。私たちに足りないのは、何と何を組み合わせるかという発想力なのです。

しかし、いくら頭をひねっても、眠っている発想力を引き出すのは簡単ではありません。むしろ、自分では意識できていないところに、ヒントが隠されている可能性があります。眠っている発想力を起こすのに、有効なのが鉛筆を使ったアイデア発想法です。

硬直した組織ほど効果的

鉛筆の各面に記号や文字を書き入れ、それを転がして、出たルールに沿ってアイデアを生み出していく

鉛筆は、アイデアのインプットとアウトプットの両方に使えます。まずは、インプットの方法から紹介しましょう。

やり方は簡単で、6角形の鉛筆の各面に記号を書き入れ、転がすだけです。

それぞれの面には、「+」「-」「×」「÷」「◎」「∞」という記号が書かれていて、その記号が示すルール(下図参照)に従い、発想するのです。

まずは出た記号に従い、できるだけ多くのアイデアを出します。行き詰まったら、また鉛筆を転がして、そこで出た記号でアイデアを出し続けます。

続けて同じ記号が出た場合でも、必ず新しいアイデアを付け足すようにします。それを繰り返して、できるだけたくさんのアイデアの種を手に入れるのです。

単純で、一見バカげた方法に見えますが、それがいいのです。私は多くの企業で研修を行っていますが、この発想法は保守的で硬直的な組織ほど効果があります。鉛筆を転がすという遊びの感覚が、場の雰囲気を柔らかくし、固定概念に捉われない柔軟な発想を可能にします。「こうでなければならない」という発想の制限が、自然と取り払われるのです。

思いついた言葉を即座にメモできるのも、鉛筆のメリットです。書くという行為は、脳を刺激します。感覚的なものですが、スマホやPCで入力するのとは異なる質感があり、アイデアが浮かびやすくなるのです。

また、HやBといった濃さの違う芯を使い分けるのもポイントです。考えや思考をまとめるときは薄いHを使い、アイデアをどんどん出すときは濃いBを使っています。視覚的な濃淡が感覚に影響を与え、芯の柔らかさによる書き応えの違いで気分も変わります。私は、ここぞという重要なアイデアを出すときは、「ファーバーカステル」の高級な鉛筆を使うなど、その時々で使い分けています。

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