対談 堀潤×家入一真「クラウドファンディングの未来。」

クラウドファンディングは、日本の市場において、起業文化において、どのような役割を果たすのだろうか。Kickstarterのように、大規模事業へと成長を目指すべき事業なのだろうか─CAMPFIREを創業した家入一真氏、クラウドファンディングを活用した堀潤氏の対談により、クラウドファンディングの未来を占う。

日本市場、まだまだ加速したい現状

家入 CAMPFIREが立ち上がって、3年目に入りました。

 まだそれ位なんですね。浸透度合いは凄いものがありますが。

家入 でもまだまだ加速させないと、と思っていて。会社の数字は前年度比2倍で来ていますが、まだまだ遅い。

 数字で見るとどうでしょう。

家入 累計2億円を超えました。

 プロジェクトの内容に動きはありますか?

家入 最初は被災地支援が多かった。そこから、プロダクト系やゲーム音楽イベントで1000万円クラスのサクセスがあります。

 すごい。

家入 目標金額が低いのに、目標額を遥かに超えて支援額が集まるケースもあります。見ていて面白いですね。

 本人たちもそこまでの市場感は持っていなかったのに、いざ開けてみたらマーケットがあったと。

家入 キックスターターの成長もそこだと思うんですよ。

 パブロですね。

「マーケットを発見した状態で参入できる。支持してくれる人が可視化された状態で存在している」(堀)

家入 正直何がブレイクするかは見えない。国内のプラットフォーマーで比較しても、まだまだ(小さい)なので、競争している場合ではないですね。

 僕がShooting Starを使ったのは、ジャーナリズムでクラウドファンディングをしたいと前々から話をしていたところに、米留学後に話をいただいて。

家入 うんうん。

 第1号として堀の案件をスタートさせる、運営側も色々と支援しますから、という話で。不安はあったのですが。

家入 ちゃんと集まるのかな、という。

 数百万円がそう集まるのかな、と。提案者への共感に拠ってしまうと思ったし。

家入 集まらないと恥ずかしい、プロジェクトが霞む、という恐怖は確かにあるでしょうね。

 それだけに、集まった時の力は逆に大きい。

マーケットの発見、支持者の可視化

「従来の血の繋がり、地域の繋がりではない部分を創出していくのが、クラウドファンディングの新しい形になる」(家入)

 クラウドファンディングがいいな、と思うのは、独立系資本主義と言われている部分。これまでは、限られた人間しか、資本にもマーケットにも手を出せなかった。そこにインターネットの発達により変革が起きた。ヒト・モノ・カネを自分の力で手に入れられて、それでいてマーケットを発見した状態で参入できる。支持してくれる人が可視化された状態で存在している。

家入 そうですね。ヒトの繋がり方、資金の集め方には、もっと自由があっていい。銀行からの借入れでも投資家による出資でも友人への依存でもなく、インターネットの力を借りる方法をもっと進めていきたいですね。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り73%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。