未来に賛同する消費を促す

参加者から自分でも気づかなかった意見を引き出し、様々なアイデアを結び付け、より大きなアイデアに変えていく。博報堂きってのファシリテーターである大高香世さんは、その能力を活かし、今後の共創社会だからこそ可能となる新たな価値創造を事業化した。

指のV字は、「VoiceVision」を示している。ウェブサイトのチームメンバー紹介でも、皆このポーズ

博報堂グループ会社の女性経営者となった大高さん。同社でもきってのファシリテーターであり、数えきれない業種でマーケティングを担当してきた経験を、新規事業開発に活かすことができる強みを持っている。大高さんは、そんな自身を「遅咲き」と評する。

大高さんのキャリアを変えたのは、とある食品メーカーのサイト構築の仕事。当時、小泉首相のサイトが100万PVで話題を得る時代に、120万PVを得ることができたのだ。

「それからは自分のエッジについて考えるようになりました。2001年から、博報堂のワークショップの専門組織『HOW』(現:博報堂ビジョンコンサルティング)に関わることで、ファシリテーションが自分のエッジになっていきました」。

女王様ファシと保母さんファシ 意見の引き出し方を徹底研究

派手に活躍する同期のように自分はアイデアフルではないと思っていたが、ファシリテーションを通じて、人の話の面白い部分をかぎ分け、人と人、アイデアとアイデアの面白い部分をつなぎあわせて大きくすることが自分は得意であると気付けたのだという。

「自分がゼロからアイデアを生み出す形だけではない企画の生みだし方もあるんだと気付いたんです」。

大高さんのファシリテーションには、「女王様ファシ」と「保母さんファシ」の2極がある。参加者を後押しする「保母さん」のスタンスと、会議が間延びした時にファシリテーターへの依頼心を断ち切るためにあえて突き放し緊迫感を与える「女王様」を使い分けているのだ。

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