日本人のモチベーションを上げる新種のお茶ができるまで

清涼飲料水は毎年1,000種類の新商品が発売され、1年後売り場に残るのはたった3種類。いわゆる「千三つ」の世界。認知度を上げ、リピーターを作るためのアイデアと行動が熾烈な競争を勝ち抜く。

新カテゴリーの創造で鈍化した無糖茶市場に活気

健康志向が高まり、低カロリー、低脂肪、低糖の商品が増え、消費者が飲食料を選ぶ視点が変わってきた。飲料ではお茶やミネラルウォーター、野菜系飲料などが好調になった。また、近年では味にこだわった高級感のあるコーヒー飲料やトクホ(特定保健用食品)の飲料など付加価値をつけた商品も人気が高まっている。

熾烈な清涼飲料市場の中でも、最も販売量も多く熾烈を極めるお茶市場は、ここ10年ほど停滞気味である。その原因はマンネリ化であり、新カテゴリーの創造がされていないことだ。お茶市場は、紅茶、烏龍茶、緑茶などの新しいカテゴリーが確立することで市場を伸ばしてきた。1993年の「ブレンド茶」以降約20年間もの間、大きな新カテゴリーは確立されていない。

お茶市場で新カテゴリー開拓に投資する理由は、これまでカテゴリー開拓を行った商品は現在でもカテゴリーのトップを維持していることだ。緑茶は「おーいお茶」、ブレンド茶は「爽健美茶」、紅茶は「午後の紅茶」などがその代表例である。

日本コカ・コーラ社がお茶市場の活性化を目指し、新カテゴリー研究を始めたのが2009年。その3年後に勝負をかけた「太陽のマテ茶」を発売し、無糖茶新製品の平均値に比べ、トライアル率が約4倍、リピート率が約5倍と異例な実績を持つ商品となった。

既存茶にない"活力"に着想

既存の無糖茶は緑色や茶色のパッケージで、プロモーションも癒しや落ち着きを連想させる「静」のイメージの商品が多い。日本コカ・コーラ社はこれまで市場にない「動」の飲用ニーズを狙い、太陽のマテ茶を開発した。

食べることや遊ぶことを前向きに楽しむ南米のライフスタイルを表現した『タベル、アソブ、マテ茶』をコンセプトに、これまで炭酸飲料やエナジードリンクなどで提供されていた価値を無糖茶で実現した。

サンバ隊のイベントなど「ラテン・バイオリズム」のコンセプトに合わせた施策

マテ茶は、肉料理が中心の南米では国民的な飲料で、1人当たりが飲むマテ茶の量は日本の7倍といわれる。「太陽のマテ茶」の開発チームで各部署の総括を担当した竹井さんは「マテ茶を飲みながら、食べることも遊ぶことも我慢しないで、明るく開放的に楽しんでもらいたい。それが太陽のマテ茶が提唱するラテン・バイオリズムです」。

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